気候同行カード(短期券)vs T-money:旅行者にどちらがお得か
ソウルの地下鉄とバスが乗り放題になる気候同行カードの短期券と、乗るたびに料金が引かれるT-money。観光客にとって本当にお得なのはどちらか。券種ごとの料金、1日に何回乗れば元が取れるかの損益分岐、対象外になる路線まで、2026年の実料金で細かく計算してみました。
| ソウル中心・たくさん乗る人 | 気候同行カード(短期券)がお得。1日に地下鉄やバスへ3〜4回以上乗るなら、定額乗り放題のほうが安くなります。 |
|---|---|
| 日帰りや少ししか乗らない人 | T-moneyが無難。水原・南怡島・DMZなどソウルの外へ出る日が多い、または1日1〜2回しか乗らないなら、乗るたび課金のほうが結局安くつきます。 |
| 空港(仁川・金浦)の行き来 | どちらも対象外。空港鉄道(AREX)は気候同行カードでは乗れません。空港の移動は別途用意してください。 |
| 元が取れる乗車回数 | 1日券は1日4回・3日券は1日3回が目安。地下鉄の基本運賃₩1,550で計算すると、これを超えた分が「お得」になります。 |
| 一番ラクな買い方 | Androidならモバイルカードが無料(モバイルティモニーアプリ)。iPhoneはスマホ本体でのタッチ乗車ができないため、実物カード(₩3,000)を購入します。 |
1. 結論を先に:あなたはどちらを選ぶべきか
2. そもそも2枚は何が違うのか
3. 気候同行カード短期券の料金と、使える範囲
4. T-moneyはどう動くのか・どこで買えるか
5. ★損益分岐の早見表★ 1日に何回乗れば元が取れるか
6. タイプ別のおすすめ早見表
7. 短期券で乗れないもの(注意点)
8. 買い方・使い方:実物とモバイル
9. 30日券と短期券、どちらにするか
10. コリアツアーカードやWOW Passは?
11. 到着初日のセットアップ手順
12. 最後に:結局どちらを選ぶか

1. 結論を先に:あなたはどちらを選ぶべきか
ソウルの中で1日に3〜4回以上乗るなら気候同行カードの短期券、日帰りが多かったり乗る回数が少なかったりするならT-money。これが大筋の答えです。どちらが正解かは「どこを」「1日に何回」移動するかだけで決まります。料金は2026年時点でどちらも安いので、損をしないためのコツを押さえておけば十分です。
- 気候同行カード(短期券)が向く人: 滞在の中心がソウル市内で、地下鉄やバスに1日3〜4回以上乗る。明洞・弘大・江南・景福宮あたりをこまめに巡るタイプ。
- T-moneyが向く人: 水原・エバーランド・南怡島・DMZなどソウルの外へ出る日が多い。または、よく歩いて1日1〜2回しか乗らない。
- どちらでもない移動: 仁川・金浦空港との行き来は、どちらのカードでもカバーされません。空港鉄道や送迎を別に用意します。
2. そもそも2枚は何が違うのか
T-moneyは「乗るたびに料金が引かれる」チャージ式カード、気候同行カードは「決まった期間だけ乗り放題」の定額券です。性格がまるで違うので、まずここを押さえると後の話が早くなります。
| T-money | 気候同行カード(短期券) | |
|---|---|---|
| 料金の仕組み | チャージ式・乗るたびに差し引き | 定額・期間内は乗り放題 |
| 使える範囲 | 全国の地下鉄・市内バス・多くのタクシー・コンビニ | ソウルの地下鉄・市内バスのみ |
| こんな人に | 移動が少ない・日帰りが多い・地方も回る | ソウル中心でたくさん乗る |
| 残額の扱い | 使った分だけ・残りは払い戻し可 | 期間で使い切る前提 |
T-moneyは日本のICカードに近い感覚で、コンビニで買ってチャージし、改札やバスにタッチするだけ。全国どこでも使えて、タクシーやコンビニの支払いにも回せます。一方の気候同行カードは、もともと長期滞在者向けの30日定額券として始まり、そこへ2024年7月から観光客向けの短期券が加わりました。「ソウルの中で乗り放題」に特化した券だと考えてください。
3. 気候同行カード短期券の料金と、使える範囲
短期券は1日券₩5,000から7日券₩20,000まで5種類。モバイルカードなら発行代は無料、実物カードだけ₩3,000が別にかかります。カバーするのはソウルの地下鉄と市内バスで、ここがT-moneyとの一番の違いです。
| 券種 | 料金 | 1日あたり |
|---|---|---|
| 1日券 | ₩5,000 | ₩5,000 |
| 2日券 | ₩8,000 | ₩4,000 |
| 3日券 | ₩10,000 | 約₩3,333 |
| 5日券 | ₩15,000 | ₩3,000 |
| 7日券 | ₩20,000 | 約₩2,857 |
表のとおり、日数が長いほど1日あたりは安くなります。これに実物カードなら₩3,000の発行代が一度だけ上乗せされます。モバイルカードはAndroidのみ無料で発行でき(モバイルティモニーアプリ)、iPhoneはスマホ本体を改札にタッチして乗ることができません。AppleがNFCをApple Walletに限っており、気候同行カードがApple Wallet非対応のためです。よってiPhoneを使う方は実物カード(₩3,000)を必ず購入してください。チャージ(券種の選択)は地下鉄駅のチャージ機か、Androidならアプリから行います。
使えるのはソウルの地下鉄と、ソウル市内バス(幹線・支線・循環・深夜バスなど)。逆に言えば「ソウルの中で地下鉄とバスが乗り放題」という券で、これ以外の路線は対象外です。どこが外れるかは後ろの注意セクションでまとめます。
4. T-moneyはどう動くのか・どこで買えるか
T-moneyはチャージ式で、1回乗るごとに基本運賃が引かれます。地下鉄の基本運賃は₩1,550で、全国の地下鉄・市内バスのほか、多くのタクシーやコンビニの支払いにも使えます。「乗った分だけ払う」ので、移動が少ない旅ほど割安に収まります。
- 料金: ソウルの地下鉄は基本運賃₩1,550(カード/現金は₩1,650)。10kmまで基本で、以降は5kmごとに₩100加算。市内バス(幹線・支線)も約₩1,500。
- 乗り換え割引: 降りてから30分以内に乗り継げば割引が効きます。実際の1回の移動は₩1,550〜1,750ほどで見ておくと計算しやすいです。
- 使える範囲: 全国の地下鉄・市内バス、多くのタクシー、コンビニの少額決済、駅のコインロッカーまで。ソウルの外でも使えるのが強み。
- 払い戻し: 残額は払い戻しできますが、1件あたり₩500の手数料が差し引かれます。コンビニでの払い戻しは残額が約₩20,000以下のみで、一部の店舗では対応していません。残額がごくわずか(₩1,000未満ほど)なら、₩500取られるより、コンビニで水などを買って使い切るほうが得です。
買えるのはコンビニや地下鉄駅で、カード代は約₩2,500〜4,000。買ったその場でチャージし、改札やバスにタッチすれば使い始められます。難しい手続きはありません。

5. ★損益分岐の早見表★ 1日に何回乗れば元が取れるか
これがこの記事の核心です。地下鉄の基本運賃₩1,550を基準に、気候同行カードの券種ごとに「1日に何回乗れば元が取れるか」を計算しました。この回数を超えて乗る日が続くなら気候同行カード、届かないならT-moneyのほうが安い、というのが損をしない判断の軸になります。
| 券種 | 1日あたりの料金 | 元が取れる乗車回数 | 判定の目安 |
|---|---|---|---|
| 1日券 ₩5,000 | ₩5,000 | 1日4回以上(3回でちょうど元が取れる) | こまめに乗る日向き |
| 3日券 ₩10,000 | 約₩3,333 | 1日3回以上 | 多くの旅行者に現実的 |
| 5日券 ₩15,000 | ₩3,000 | 1日約2回でちょうど元が取れる | 長めの滞在で有利 |
| 7日券 ₩20,000 | 約₩2,857 | 1日2回未満でも元が取れる | ソウル中心ならほぼお得 |
計算は単純です。₩1,550を1回の運賃として、券の1日あたり料金を割るだけ。たとえば1日券は ₩5,000 ÷ ₩1,550 ≈ 3.2回 なので、1日4回以上乗ればお得、3回なら元が取れるあたりです。3日券は1日あたり₩3,333なので約2.2回、つまり1日3回乗れば元が取れます。日数が長い券ほど1日あたりが下がるため、5日券は1日2回ほど、7日券にいたっては1日2回未満でも元が取れる計算で、ソウルの中で動き回る限りほぼ確実にお得になります。
6. タイプ別のおすすめ早見表
旅のスタイルごとに、どちらが向くかを表にまとめました。自分の旅程に一番近い行を見れば、迷わず選べます。
| 旅のタイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 日帰りが多い(水原・エバーランド・南怡島・DMZ) | T-money | ソウルの外は短期券の対象外。乗った分だけ払うほうが無駄がない |
| 2〜3日・ソウル中心でこまめに移動 | 気候同行カード(3日券) | 1日3回以上乗るならすぐ元が取れる。期間内はその都度チャージする手間や残高を気にしなくていい |
| 5〜7日・ソウル滞在 | 気候同行カード(5日/7日券) | 1日あたりの料金が安くなり、1日2回程度でも元が取れる。ほぼ確実にお得 |
| 複数都市を回る(釜山・慶州なども) | T-money(必要なら短期券と併用) | 全国で使えるT-moneyが軸。ソウル滞在の数日だけ短期券を足す手も |
| よく歩いて1日1〜2回しか乗らない | T-money | 定額の元が取れない。乗るたび課金のほうが安い |
ポイントは、到着日と出発日は空港の移動が中心で、ソウル市内をあまり動かないこと。短期券の効きが薄い日なので、「実際にソウル市内で動く日数」を基準に券種を選ぶと無駄がありません。たとえば4泊5日でも、中の3日がソウル中心なら3日券が現実的、という具合です。
7. 短期券で乗れないもの(注意点)
気候同行カードの短期券は「ソウルの地下鉄と市内バス」だけ。ここを誤解すると、改札で引っかかったり、追加料金を払うことになります。とくに空港鉄道とソウル外への移動は要注意です。
- 空港鉄道(AREX): 仁川・金浦空港とソウル都心を結ぶ路線ですが、短期券では乗れません。空港の行き来は別の手段で用意します。
- 広域バス(赤いバス): ソウルと近郊を結ぶ長距離バスは対象外。市内の青・緑のバスとは別物です。
- 新盆唐線: 江南方面の一部で使う路線ですが、運営が別で短期券は効きません。
- ソウルの外: 水原・南怡島・エバーランド・DMZといった日帰り先は、そもそもソウル市外なので適用外。その区間はT-moneyで払うことになります。
空港の移動は短期券でカバーできないので、ここは別途おさえておきましょう。仁川空港からソウル市内への入り方は 仁川空港からソウルへの行き方 にまとめています。予約しておくと安心な空港鉄道や送迎は、こちらから比較できます。
8. 買い方・使い方:実物とモバイル
買い方は実物カードとモバイルカードの2通りです。モバイルカードはAndroid専用なので、iPhoneの方は実物カードを使います。2026年3月からは海外発行のクレジットカードでも買えるようになり、外国人にとってぐっと使いやすくなりました。ただし券売機で海外発行カードで決済すると、平均約3.7%の手数料が別途加算されます。
- 実物カードを買う 地下鉄駅の顧客センターか駅近くのコンビニでカード本体を購入(₩3,000)。これにあとから券種をチャージします。
- または、Androidなら無料のモバイルカードを作る モバイルティモニーアプリを入れ、モバイルカードを発行(無料)。これはAndroidのみで、iPhoneはスマホ本体でのタッチ乗車ができないため実物カードを使います。
- 券種をチャージする 実物なら駅のチャージ機で、Androidのモバイルならアプリ上で、1日券〜7日券から選んで支払い。2026年3月からは海外カードでの支払いに対応(券売機では平均約3.7%の手数料が加算されます)。
- 改札・バスでタッチして乗る あとは地下鉄の改札やバスの端末にタッチするだけ。期間内は乗り放題で、いちいち残額を気にする必要はありません。

9. 30日券と短期券、どちらにするか
2週間以上ソウルに滞在するなら、短期券を重ねるより30日券のほうが安くなることがあります。30日券は₩62,000(タルンイなし)/₩65,000(タルンイ込み)です。
| 滞在の長さ | 向いている券 | 目安 |
|---|---|---|
| 1〜7日 | 短期券 | ₩5,000〜20,000。日数に合わせて選ぶ |
| 2週間前後 | 短期券×2 か 30日券を比較 | 乗る頻度が高いなら30日券が逆転することも |
| 3週間以上・長期滞在 | 30日券(₩62,000/₩65,000) | 1日あたりが下がる。自転車を使うならタルンイ込み |
たとえば7日券(₩20,000)を続けて2枚買うと₩40,000を超えますが、30日券は₩62,000で約4倍の期間カバーできます。長く滞在してこまめに乗るなら、30日券のほうが1日あたりは割安です。タルンイ(レンタル自転車)を使いたい場合は、₩65,000のタルンイ込みを選びます。短い旅行なら、素直に日数に合った短期券で十分です。
10. コリアツアーカードやWOW Passは?
コリアツアーカードやWOW Passは名前こそ観光客向けですが、中身はT-moneyと同じ「乗るたび課金」です。定額乗り放題ではないので、気候同行カードとは別物だと考えてください。
- コリアツアーカード(Korea Tour Card): 観光客向けにブランディングされたT-money。動きはT-moneyとまったく同じで、一部の加盟店で割引が付く程度。乗り放題ではありません。
- WOW Pass: チャージと両替を一体化したカード(空港の機械で発行)。両替が便利な一方、交通の使い勝手はT-moneyと同じ「乗るたび課金」です。
つまり、これらはどれも「定額無制限」ではなくT-money系。ソウル市内でたくさん乗って元を取りたいなら、選ぶべきは気候同行カードの短期券です。逆に、移動が少なかったり地方も回ったりするなら、T-money系のどれでも構いません。
11. 到着初日のセットアップ手順
到着したら、まず交通カードと地図アプリを整えるだけで、その後の移動がぐっと楽になります。順番にやれば10分ほどで終わります。
- カードを用意する Androidならモバイルティモニーアプリでモバイルカードを発行(無料)、iPhoneや実物派は駅・コンビニで実物カード(₩3,000)を購入。
- チャージする 短期券なら券種(1日〜7日)を選んで支払い。T-moneyなら現金やカードで残額をチャージ。
- タッチして乗る 改札・バスの端末にタッチ。気候同行カードは期間内乗り放題、T-moneyは乗るたびに引き落とし。
- 地図アプリを入れる NAVER MapかKakao Mapを入れておきます。韓国ではGoogleマップが徒歩・公共交通の経路案内をきちんと出してくれないため、この2つが頼りになります。
12. 最後に:結局どちらを選ぶか
ソウルの中でこまめに動くなら気候同行カードの短期券、ソウルの外へ出る日が多かったり乗る回数が少なかったりするならT-money。これが正直な結論です。2026年時点でどちらも料金は安く、損をしないかどうかは「ソウル市内で1日に何回乗るか」だけで決まります。
1日3〜4回を超えて乗る日が続くなら、迷わず短期券。日帰り中心や、よく歩いて1〜2回しか乗らない旅なら、乗った分だけ払うT-moneyが堅実です。空港の行き来はどちらも対象外なので、そこは別に用意しておきましょう。
具体的にどう回ればこのカードを活かせるかは 韓国旅行プランガイド が参考になります。ソウルの地下鉄・バス・タクシーの乗り方をもっと詳しく知りたいなら 韓国の交通ガイド を、韓国旅行の全体像は 韓国旅行完全ガイド でまとめて計画できます。
よくある質問
どの券を選ぶにしても、まずは旅程を固めるのが先決です。韓国旅行完全ガイド で韓国旅行の全体像をまとめて計画しましょう。
画像: Hero: LERK (CC BY 2.5) · zisk (public domain) · LERK (CC BY-SA 4.0) · STA3816 (CC BY-SA 3.0), via Wikimedia Commons.
